アメリカで起業をした方には、永住権を取得する方法がいくつかあります。とは言え、グリーンカードを取得するのは、種類や請願者の国籍にもよりますが、数年かかるような非常に長い手続きが必要になります。そのため、グリーンカードを請願する場合は、取得の許可が降りるまで待っている期間もアメリカに滞在できるようにE-2投資家ビザ、L-1企業内転勤ビザまたはO-1高度技能保持者ビザなどを確保しておくことがお勧めです。
EB-5 投資家ビザ
EB-5グリーンカードはアメリカで起業をする、米国企業に特定の額を投資する、または米国企業を買収するとこによって取得することができます。一見簡単そうに聞こえますが、大きな欠点の1つに、取得にかかるコストが挙げられます。EB-5グリーンカードの取得資格を得るには、投資先の米国起業が田舎であり経済的に落ち込んでいる地域にある場合は最低投資額が$900,000(約9,400万円)、投資先の米国起業が高雇用率の地域にある場合に$1,800,000(約1億9,000万円)が必要になります。対象となるのは現金、有形固定資産、無形資産(特許など)、またはこれらを組み合わせての投資になります。
EB-1A 高度技能保持者ビザ
このカテゴリーでは、ビジネスにおいて並外れた能力を持つ個人としての継続した評判が必要です。つまり、ある分野でのエキスパートとしてトップに居続けなければいけないのです。これにはテクノロジー、科学、産業、または商業などの特定の分野が含まれます。また、このような分野でのエキスパートであるということを証明するためには、賞、出版物、または卓越した技能者しか入ることができない協会へのメンバーシップなどが証拠として必要になります。この際に注意しなければならないのが、米国移民管理局が証拠として取り扱うのは最近の賞、出版物、またはメンバーシップのみであるということです。例えば、O-1ビザの保有者は、申請時に一時的なビザを取得できるだけの資格はあっても、EB-1Aグリーンカードの取得資格を得るために必要なだけの実績は無い可能性もあるのです。
EB-1Aグリーンカードでは、雇用先からのスポンサーは不要です。つまり、申請する際には、自身が自分のビザのスポンサーになることが可能なのです。これは雇用先が小規模または確立されていない企業である場合に役に立ちます。自分でビザのスポンサーになる場合は、自身の金銭的自立を証明する証拠(納税申告書など)を提出する必要があります。申請書類がプロセスされている間に転職することも可能です。
EB-1Aグリーンカードは、企業家にとって申請基準を満たすのが非常に難しい場合が珍しくありません。その企業の実績が科学やテクノロジーでは無く、ビジネスに集中している場合は、特に難しいでしょう。
EB-1C 役員・管理職ビザ
EB-1Cグリーンカードは、外国の雇用主からアメリカの関連会社に送られて配属された管理職の方やマネージャーに利用可能です。このグリーンカードは企業の起業者にも利用可能ですが、実際には起業家にはあまり人気が無く、大企業の管理職の方に多く用いられます。
取得資格を得るためには、米国企業が少なくとも1年以上の事業実績があり、個人の以前の雇用主と連絡を取れる関係にあり、個人を管理職者として雇用する意図がある、ということを証明する必要があります。個人は、グリーンカード申請以前の3年間の間に少なくとも1年間は米国外で雇用されていたという記録が必要になります。また、申請時に既に、E-2, L-1Aなどのビザで米国での就労を開始している場合は、最も最近の非移民ビザでの米国入国の証明が必要になります。
EB-2 国益に基づく労働証明書免除 (National Interest Waiver / NIW)
このカテゴリーでは、米国での起業家の取り組みが国家レベルで重要な役割を果たすと考えられるときに起業家にグリーンカードが与えられます。これは、一般的には、ローカルな中小起業家には当てはまりません。しかし例外として、中小規模の地域的なビジネスであったとしても、経済的に不利な地域にあり、その地域の経済を大いに刺激する効果が期待できる場合は「国家レベルで重要」とみなされます。また、起業家の努力する姿勢も重要になり、これは米国移民局により個人の過去の経歴と実績によって判断されます。さらに、このカテゴリーでは起業家が最終的に高度な学位またはその分野での卓越する能力の発揮が必要になります。