アメリカ市民との結婚に基づいてグリーンカードを申請する場合は、特定の条件が結婚詐欺の危険信号とみなされ、米国移民局により余計な警戒をされる可能性があります。
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出身国
一般的に、結婚詐欺の疑いは、申請者の出身国の経済的背景によって大きく変わってきます。例えば、日本やイギリス出身者とアメリカ国民の結婚は、インド、メキシコ、ハイチ出身者との結婚に比べて、結婚詐欺を疑われる可能性は非常に低くなります。 その他にも、米国移民局は、宗教や民族性の違いなどにも着目して詐欺の可能性を調べます。例えば、ユダヤ教信仰者とイスラム教信仰者の結婚などは特に疑われる可能性が高くなります。
結婚歴
過去の結婚歴は必ずしも疑惑の理由になるとは限りませんが、近年の離婚や過去の配偶者の死亡歴などがある場合は疑いを持たれる可能性が高くなります。また、過去の結婚を通してビザやグリーンカードを申請した経歴がある場合や、外国籍の配偶者の子供がグリーンカードを申請する予定がある場合などは、特に詐欺を疑われる可能性が上がります。
年齢差
カップル間の年齢差があまりにも大きい場合も詐欺が疑われます。米国移民局で働くスタッフは、当局から10年以上の年の差があるカップルには特に注意を払うよう指示されています。
証拠書類
米国移民局からの余計な疑いを避けるためにも、カップル2人の写真、共同資産・口座に関する書類など、実際の結婚が成立しているという証拠を準備しておくことが大切です。しかし、ここで難しいのが、ちょうどいい量の証拠を用意するということです。例えば、証拠が少なすぎれば疑われますし、多すぎても申請が拒否される可能性があるのです。
疑わしいケース
米国移民局が疑わしいケースを見つけた場合に最初に行うのが、配偶者それぞれの個人面接です。通常、面接は1人ずつ行われ、当局は両者の言及に食い違いがないかを調べます。このような場合は、素直に真実を伝えることがベストです。嘘をつこうとして言及に食い違いが見つかると、結婚詐欺の証拠として使われる可能性があります。
面接後も詐欺の疑いが晴れない場合は、カップルへの家の訪問や、隣人への面接など、更なる調査が行われる場合もあります。
面接後も大きな疑いが残る場合は、移民局が詐欺としての正式な調査を始める前に、自らグリーンカードの申請を取り下げるのが好ましいでしょう。自ら取り下げることにより、移民である申請者の雇用ベースのグリーンカード申請、亡命申請、またはその他の移民としての公的給付への権利を保存することができます。
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著者:ダニエル・ジョセフ(ジョー)ジョーンズ
ワシントンD.C.とニューヨークに拠点を持つジョーンズ法律事務所の代表弁護士。米国移民法、国際親族案件、国際ビジネス案件を中心に活動しています。日本の大手企業や国際法律事務所で国際法務に従事した経験があり、日本語も堪能。お気軽にご相談ください。