米国のビザ申請でよくある間違い

Photo: Valentino Funghi at unsplash.com米国のビザを取得するためにはCEAC(Consular Electronic Application Center)のウェブサイトを通してオンラインでアプリケーションを行わなければいけません。アプリケーションは全て英語で行われ、署名や提出は申請者本人によって行われなければいけません。つまり、弁護士や代理人によってアプリケーションを直接的に行うことはできないのです。

お気軽にご連絡ください。
当事務所の米国弁護士がお電話・ビデオ会議にて日本語でご相談に対応致します。

過去の入国でのトラブル

DS-160フォーム(非移民用ビザ申請)、DS-260フォーム(移民ビザ申請)のどちらにおいても、過去の入国審査でトラブルがあったかどうかを聞かれる質問があります。ここでは、過去に米国への入国を拒否された事があるか、ビザ の発行を拒否された事があるか、または、入国直前になって突然ビザのアプリケーションを辞退した事があるかを問われます。

ビザ発行を行う領事館スタッフは、ビザ申請者に関する過去の旅行履歴など全ての書類を手元に持っています。つまり、インタビューで嘘をついた場合はすぐに見通されます。もし、過去に上記で挙げられたようなトラブルになった事がある場合は正直に”Yes”と答えるのが重要です。

インタビューでは、もし過去に上記の太字で示されたようなトラブルになった事がある場合は、そのような事態に至った経緯を説明できるようにしておきましょう。弁護士はビザのインタビューに同席することはできないので、自分1人でしっかり説明ができるように準備しておく事が大事です。

過去の米国への旅行記録

DS-160フォーム、DS-260フォームのどちらも、申請者の過去の米国への旅行履歴を聞く質問があります。ここで問われている過去の旅行履歴とは、子供時代の旅行も含み、さらに米国の海外領土(グアム、プエルトリコや北マリアナ島など)への旅行も含まれます。

過去の逮捕や有罪判決

DS-160フォーム、DS-260フォームのどちらも、申請者の過去の犯罪歴に関する質問を含んでいます。ここでは、過去に逮捕された事や有罪判決を受けた事があるかなどを問われます。海外で逮捕・有罪判決を受けた場合、裁判自体が記録から抹消されている場合、または、判決に法的拘束力が無いと判断された場合も正直に答えなくてはいけません。また、ここでいう「逮捕」とは、刑務所で服役していない逮捕の場合も含むので、保護観察下で過ごした時間も含まれる事もあります。

ソーシャルメディア

DS-160フォーム、DS-260フォームのどちらも、申請者が使用しているソーシャルメディアアカウントのユーザー名を表明する事を求めます。ここで正直に全てのアカウントを公表しない場合は、後で領事館スタッフがビザのアプリケーションを拒否する可能性があるので気を付けましょう。

各ビザごとの注意点

ビザの種類によっては、アプリケーションにおいてさらなる情報の開示を求める場合があります。E-1, E-2ビザのアプリケーションの場合は、米国を拠点とする会社とその親会社の概要、取締役、経営者・専門職員に関する情報(彼らが米国市民であるかどうか、グリーンカードを持っている場合はそれに関する情報等)の開示が求められます。

K-1ビザのアプリケーションの場合は、婚約者に関する情報の開示を求められます。この場合は、婚約者と申請者がビザ申請を提出する時点、また、米国に入国する時点でまだ結婚していない事が重要になるので、書類上で婚約者のことを間違って配偶者として記入しない事、また、母国で法的な結婚と見なされるような事をしないように気を付ける必要があります。

関連記事


著者:ダニエル・ジョセフ(ジョー)ジョーンズ
ワシントンD.C.とニューヨークに拠点を持つジョーンズ法律事務所の代表弁護士。米国移民法、国際親族案件、国際ビジネス案件を中心に活動しています。日本の大手企業や国際法律事務所で国際法務に従事した経験があり、日本語も堪能。お気軽にご相談ください